賛否コメント承ります。 NoisyPerson

日本の中の「問題視されていない問題」を勝手に持論展開しています。賛否コメント承ります。また、持論展開して欲しい「テーマ」も募集しています。タイムリーじゃない事柄でも構いませんのでぜひコメントへ。

賞味期限切れの国際連合

既に実効性が失われた組織

 2021年6月時点で193か国と世界最多の加盟国数を誇る組織であるが、そもそもの成立は第二次世界大戦終結後である。国際連盟の様々な反省を踏まえ、1945年10月24日に51ヵ国の加盟国で設立され、主たる活動目的は国際平和と安全の維持(安全保障)、経済・社会・文化などに関する国際協力の実現を掲げている。
 現在この組織は掲げた目的を果たせているだろうか。台湾独立問題、北朝鮮の核問題、イスラエル問題、香港の実質的な中国への併合、南シナ海における中国の実効支配地域の拡大、ロシアによるドネツク民共和国、ルガンスク人民共和国の一方的な独立宣言、それに伴うウクライナへの侵攻。これらの問題には共通点がある。全て常任理事国、或いは常任理事国に近い国の都合で解決できていない。今後もこの仕組みで運用するのはもはや無理があると考える。

 

常任理事国寄りなら何でもあり

 常任理事国、及び常任理事国と強い協力関係にある国は、それ以外の国とのトラブルにおいて自国に都合が悪くならない限り、国連が関与する事を抑止できるルールがあります。それは「拒否権」です。このルールがある限り先に示した問題が解決する事などありえないのです。そもそも、拒否権は性善説が大前提となっています。つまり常任理事国が常に人道的(善)である必要があります。しかし、そもそも常任理事国の選定が第二次大戦の勝利国と言うのはおかしな話です。戦勝国は必ずしも善とは限りません。それでは、「戦争で勝てば善である」と言わんばかりです。終戦当時は戦勝国側の権利として考えられて作ったルールかもしれませんが、今となっては足枷でしか無いルールに成り下がっています。ロシアに至っては国が全く別物に成ったのにそのまま常任理事国として居続けています。他の常任理事国も、発足後80年近く経って事情が変わっている国もあるでしょう。現在ロシアがウクライナに侵攻していますが、他国は経済制裁などの間接的な制裁のみで直接的な制裁、つまり軍事的な制裁はどの国にも出来ないのです。これでは常任理事国側は何でもありです。それに常任理事国同士が争えば誰も止められません。つまり、米中問題や米露問題などが軍事的な方向へ傾倒してしまった場合、誰にも止められないという事です。

 

拒否権が賞味期限切れ

 全ての国が武力行使を選択できない世界を作るには国際連合の仕組みでは不可能だということです。常任理事国の拒否権という特権がある限り世界に平和は訪れないのです。今こそ新しい枠組みを考える時期に来ているのではないでしょうか。